バスクの経済成長

Laboral Kutxaがバスクの経済に関する調査報告書を新たに公開した。2016年の成長の分析と2017年の予測だ。要約すると、前年は「良い」と銀行 (Laboral Kutxa) は考えており、今年と2018年も「見通しは明るい」と予想した。スペインバスクでは今年と2018年の成長率は約3%になるだろう。ナバラ州ではちょうど3%、アラバ県,とビスカヤ県、 ギプスコア県では2.9%の成長率を予測している。

前年は「良い」年で、それは「強い成長、雇用創出、失業率の大幅な低下があったおかげだ」。報告書によるとその要因は二つあった。ひとつは経済の内側の平価切下げで、もう一つは欧州中央銀行の通貨措置や原材料価格などの「依然として議論されているいくつかの要因」である。

昨年は多くの「政治的リスク」があったが、「幸いにも」、変わりやすい経済において、何も影響はなかったことを、銀行(の報告書)は思い出させた。Laboral Kutxaがリストアップした2016年の幽霊は次のようなものがある。中国の金融上の不均衡、イギリスのEU離脱決定(取引関係における亀裂が引き起こしうる変化に起因した)、そしてドナルド・トランプがアメリカ大統領就任(特に保護主義貿易政策)である。しかし、言われているように、これらの「リスク」は結局予期していたよりも小さなインパクトしかなかった。

実際、Laboral Kutxaは、変わりやすい経済が「驚くべき強さ」を示したと考えている。2016年は、国内総生産が、バスク州で3.1%、ナバラ州では2.9%の増加だった。雇用創出は、バスク州で2.9%、ナバラ州で1.2%の増加、失業率はアラバ県、ビスカヤ県、ギプスコア県で12.6%、ナバラ州で12.5%の減少となった。加えて報告書は、ここ数年で初めて、すべての項目で価値が付加され、ポジティブな記録となっていることを強調している。


2017年と2018年の見通し

リスクは(今も)あるし、これからもあるだろう。いつものように我々は不確実な要素に注意する必要がある。イギリスのEU離脱交渉はそんな要素の一つだ。二つ目はアメリカの金融・商業政策の方向性、三つ目はドイツの選挙結果、そして最後に中国経済の動向である。

とにかく、Xabier Egibar と Joseba Madariagaの報告のプレゼンでは、今日の実際の状況は「明るい」という意見である。Laboral Kutxakoのビジネス開発部門の部長がEgibarで、調査担当がMadariagaである。彼らの意見では、オランダとフランスの選挙結果がイギリスのEU離脱とトランプが引き起こした緊張を緩和した。さらにイギリスのこの前の選挙が、EUの交渉に対する態度を強化した。したがって、夏が終わるとドイツの選挙があるという事実にもかかわらず、現在の状況は「明るい」と我々は言うことができる。

この平穏のおかげで、スペインバスクにおいて少なくとも2018年までは3%のペースで経済成長が続くだろうということを算出した。しかし、中期的な課題が「とても重要」だと、2人は警告した。「この課題には、次の2つの課題が常につきまとう。経済の生産性を改善することと、人口の高齢化が引き起こす問題に直面することだ」。